皆さん。ソニーに対してどんなイメージを持っていますか?ゲームですか?音楽ですか?それとも映画ですか?僕は圧倒的にゲームですね。僕はPSPの世代でした。あの頃は放課後友達の家で毎日モンハンをしていました。ゲームのクオリティとても高かったですよね。あと、僕らの間ではもう流行っていませんが、ウォークマンが流行ってた世代の人はソニーのイメージはウォークマンなんじゃないですかね。
PSPにしても、ウォークマンにしても、僕たちはそれを見て、使って、「感動」を受け取ってきました。実はソニーの理念がこの「感動」にあるのです。
今日はそのような素晴らしい理念を持つソニーの経営を分析してみます。(財務諸表の特徴については→こちら)
ソニーの経営は事業の数が8個??
ソニーには人によっていろんなイメージがあるといいましたが、それはそうなんです。ソニーは現在8個も事業を持っているんです。
何が思いつきますか?さっそく答えです。
ゲーム&ネットワークサービス |
音楽 |
映画 |
ホームエンタテイメント&サウンド |
イメージング・プロダクツ&ソリューション |
モバイル・コミュニケーション |
半導体 |
金融 |
の8つです。ここまでたくさんの事業を持っているんですね。事業をたくさん持つのは良いことなんでしょうけど、これらのバランスをとるのはとても難しそうです。ソニーはどのようにバランスを取って経営をしているのでしょうか。後々明らかにしていきましょう。
まずは全体の業績からです。
安定しないソニーの経営??
2007年から2017年までのソニーの売上の推移です。ううん。なんだこの不安定な推移は。2009年の赤字は2008年のリーマンショックの影響ですかね。リーマンショック後は、不景気かつ円高だったので輸出企業のソニーからしたら相当な痛手だったと思います。そこからの営業利益はグラフ上、ノミのようですね。営業利益率も最高でも5%ほどと、低いですね…。
2013年の営業利益が上がっているのはPS4 の影響です。やはり相当売れたようですね。
グラフを見てみると、ヒット商品が出ては利益が伸び、何か不具合があればすぐに利益が落ち…を繰り返している感じですね。まさに不安定。
この不安定が安定することはあるのでしょうか。
2015年からは営業利益率が伸び続けています。ソニーはこの流れを逃したくはありませんね。では、今年のソニーの事業ごとの利益を見てみましょう。
事業ごとの利益は
ソニーは8つも事業を持っているので、集計するのが大変でした。事業ごとに見てみると、面白いことがわかってきました。
セグメント別売上
こちらがセグメント別の売上高になります。色が変わっているところが売上高トップ3ですね。「ゲーム」と「ホームエンタテイメント」と「金融」です。確かに、プレステと家電とソニー損保って言われたら結構売れてそうな感じしますよね。
セグメント別営業利益
では、次は営業利益を見てみましょう。
さっきのグラフと少し様子が違いますね。営業利益トップ3は「ゲーム」「金融」「半導体」になっています。その中でも、「金融」が一番高いですね。売上高において上位にいた「ホームエンタテイメント」は順位を下げています。
それぞれの営業利益率を比べると、「半導体」や「金融」は営業利益の絶対数が多いうえに、費用があまりかかっていないことがわかります。
一方、「ホームエンタテイメント」や「映画」「モバイル」といったセグメントは、利益貢献が少ないわりに費用がたくさんかかる”わりの悪い”事業になっていますね。
ソニーが与える「感動」はどこに行くのか/まとめ
ソニーのビジネスの主軸は今では「ゲーム」「金融」「半導体」になっています。
これに至るまでの経緯はまさに「リストラ劇」でした。2013年に社長の座に就いた平井氏の下、テレビ事業やパソコン事業などは次々と切り捨てられました。これによって、今後成長できる事業に注力しようとしたのです。
そこで確立されたのがこの「ゲーム」「金融」「半導体」の主軸3事業です。平井氏の構造改革は成功したのでした。売上のグラフに戻ってみてもらうとわかると思うのですが、2014年以降の成長は彼の功績です。
4月から、副社長の吉田氏が社長の座につきました。
彼の下では、どのような改革が行われるのでしょうか。平井氏の意思を受け継いで構造改革を進めるのであれば、”わりの悪い”事業の切り捨ても十分にあり得る話です。
確かに、事業の切り捨てで利益が確保できるかもしれませんが、
「感動」を与えることを理念に持つソニーは、事業の切り捨てによって今後ウォークマンやPSPのように私たちにとって魅力的な商品を生み出すことができるのでしょうか。
今後の展開に注目してみましょう。
ソニーの財務諸表に焦点を当てた記事もあります。併せて読むと理解が深まると思います。
今日はこの辺で終わりたいと思います、次も楽しみにしていてください。
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