【企業分析】サイゼリヤの安さの理由とその課題は?経営を分析

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学校帰りに友達とサイゼに駆け込んでミラノ風ドリアドリンクバーで何時間もだべる…青春ですね。こういう時間は何をしているときよりも時間を忘れられるし、幸せを感じますよね。でも、なんでこういう時にサイゼは選ばれるんでしょう。

それはやっぱり、安いからですよね。ミラノ風ドリアが299円って、ありえないですよね。では、なんでサイゼって安いんでしょう。原価率が安いから?良い食品を使っていないから?人件費を削っているから?いろいろ浮かぶと思います。

今日はその安さの原因を分析し、サイゼの経営を見ていきましょう。

安い理由?サイゼリヤの「製造直売」の経営とは?

サイゼリヤは、「製造直売」のビジネスモデルを取っています。別名は「SPA」(speciality store retailer of private label apparel)です。これは、商品開発~生産~加工~物流~商品提供までのすべての過程を自分でやってしまうモデルのことです。あれ、これどこかで聞いたことありませんか?

そうなんです。以前紹介したニトリユニクロと同じモデルを取っているのです!

興味があればニトリ、ユニクロの「SPA」のビジネスモデルも参照してみてください。

ニトリ→「お、ねだん以上。」を実現するニトリの経営とは?
ユニクロ→ユニクロの経営は大きな転換期を迎えている?

SPAはすべての工程を自社で行う形のビジネスモデルです。アパレル業界でとても流行ったビジネスモデルですが、ニトリが日本で一番早く取り入れたものでしたよね。このビジネスモデルの強みは、物流コストなどの中間コストを削減できることです。

さらに、開発から生産加工すべてを行うわけですから、自社ブランドの統一が可能になりることも大きな強みです。製造過程で会社が違うと、ブランドのイメージや味の統一をすることが難しそうですよね。それを可能にするのがこのビジネスモデルです。

具体的なサプライチェーンチェーンは?

サイゼリヤのサプライチェーンには、

栽培・収穫生産加工加工調理、とあります。

これらをすべて自分の会社でやってしまうわけです。

僕たちの目にはレストランの経営しかやっているようには見えませんが、実はイタリアから原材料を輸入したり、実際にレタスを栽培していたり、生産加工の工場をオーストリアに持っていたりするんです。

自社でやっているわけですからこれらの工程に中間費用はかかりませんよね。

サイゼが安い原因はここにあります。ただ食材の原価が安いから、ではありません。

商社を通さず自分でイタリアの食材を現地から輸入し、自分で商品開発を繰り返して味にこだわり、無駄なコストはカットして、その上であの値段になっているのです。

2つのV字を持つサイゼの経営業績

では、このビジネスモデルの上でサイゼリヤがどのような業績を残しているのかを見ていきましょう。

サイゼの売上の推移を表したものです。売上高は順調に伸び続けていますね。今期の売上は1483億円です。サイゼリヤは飲食店の中で売上高は何位に位置すると思いますか?7位です!

ゼンショーやスカイラークやマクドナルドがトップを占めています。

次に、経常利益率を見てください。V字が二つできていますね。2009年を谷にするVと、2014年を谷にするVです。

グラフにおけるV字は、経営不振からの回復を表します。では、それぞれのV字では何が起こり、そしてそこからの回復はどのようにしたのでしょう。次はこれらを分析していきます。

2009年のサイゼリヤの経営不振の原因は?

サイゼリヤは、オーストラリアに工場を持っています。オーストラリアで加工された商品を、店舗のある国内に輸入するわけですから、円高と円安のどちらが都合良いですか?

そうです。円高です。円高は、1ドル100円だったものが1ドル90円になる動きのことです。

オーストラリアで作った加工品が10ドルだとしたら、1ドル100円のとき1000円であったものが、1ドル90円になると900円になりますよね。安く仕入れたいわけですから、輸入企業は円高を望みます。

しかし、為替は常に変動するものです。これをどうにか安定させたい。そこで出てくるのがデリバティブ取引です。ここで説明すると長くなってしまうので、興味のある人はこちらのサイトを参照してみてください。→こちら

このデリバティブ取引によって、為替の影響を減らそうとしました。しかし、それが失敗。サイゼリヤは取引を解約します。その違約金が153億円にも及んだのです。

しかし、この後V字回復を遂げますね。この原因は、サイゼリヤの財務基盤がしっかりしていたからです。この時の財務基盤を見てみましょう。

事件が起こる前年の貸借対照表です。見てください。負債がとても少ないですよね。自己資本比率はなんと84.99%です。自己資本比率は、資産のうちどれだけが純資産(自己資本)によって賄われているか、すなわち負債をどれだけしていないかを表すものです。84.99%はさすがって感じですね。

このような安定している基盤を持っていたからこそ、一時的な赤字の影響を引きずることなく、次の年には利益を回復させることができたのですね。

2014年のサイゼリヤの経営不振の原因は?

2014年にもV字ができていますね。2014年に利益が減ってしまった原因を考えましょう。この原因は、円安です。

先ほど説明した円高とは逆ですね。つまり1ドル100円だったものが1ドル110円になる動きのことです。サイゼリヤは海外で作ったものを輸入するのでした。オーストラリアで作った10ドルの加工品は、円安になると1000円から1100円になってしまいますよね。これでは費用が高くなってしまいます。

円安による費用の拡大が2014年のV字の原因でした。

浮かび上がるSPA型経営の課題/まとめ

業績がV字になっている原因を探ってきました。これらのことから、SPA型の経営の不安定さが浮かび上がってきたと思います。

SPAでは、自社の工場を海外に多く持ちますね。なぜなら、海外の労働力の方が安いからです。さらに、サイゼリヤに関してはイタリア料理を提供しているので、イタリアなどの原料の輸入先とも関係がありましたね。

しかしこのビジネスモデルには、為替の影響を受けやすいという不安定さがあったのです。さらに、近年海外の労働力の値段も上がってきています。

「どのように海外市場とやっていくか」はサイゼリヤの、さらには海外市場との関係を持つすべての企業の永遠の課題ですね。

今日はこの辺で終わりたいと思います。

財務諸表の特徴に焦点を当てた記事もあるので、こちらも併せて読むと理解が深まります。

では、次も楽しみにしていてください。

 

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