ワークマンから学ぶフランチャイズの上手な出店戦略とは?

企業分析

 

 

ワークマンはフランチャイズ展開で有名な企業ですね。他にフランチャイズを展開する業界として有名なのは、

  • コンビニ
  • 飲食店
  • 学習塾

などが挙げられるでしょうか。

実は、この中でもワークマンのフランチャイズの出店戦略は「うまい!」と言わせる点が多くあります。今回はそれらを紹介していきます。

フランチャイズに関わらず出店戦略に必要な観点は「土地」「人」「金」

まず、そもそもの話として出店するときに必要なものは何があるでしょうか?

そうです。タイトルの通り「土地」「」「」の3つが必要になります。

それはコンビニでも飲食店でも学習塾でもワークマンでも変わらずに必要なものです。

逆に言うと、「土地」「人」「金」がうまくそろっていることが出店戦略の最低条件ということですね。

まさしくこれらすべてがそろっているのがワークマンなのです。

ワークマンのフランチャイズ出店戦略のうまさは?

では、「土地」「」「」のそれぞれの観点からワークマンの出店戦略の「うまい!」という部分を見ていきましょう!

ワークマンの出店戦略「土地」

まずは「土地」の観点から見ていきます。

どこに出店しているのかを調べるのにグーグルマップを使ってみてみましょう。

上の地図を見てみると、

  • 大きな道路(国道)沿いで交通量が多そうな場所
  • 駅からは遠く、住宅街に近い場所

に出店していることが特徴としてあげられます。

IRMAN
IRMAN

WORKMANが狙っているのは生活圏内の中で主に車で商品を買いに来る人なんだね

また、公式HPでは以下のように明言しています。

人口10万人に対して1店舗を出店して、全国どこでも近くにワークマン店舗があるようにします。

この宣言はどれほど達成可能なのでしょうか。

公式HPに載っている情報から出店地域の表を作りました。

店舗数 人口(人) 店舗数当たり人口(人) 不足店舗数
北海道・東北 北海道 11 5,285,430 480494 42
青森 12 1,262,686 105224 1
岩手 12 1,240,522 103377 0
宮城 13 2,313,215 177940 10
秋田 11 980,694 89154 -1
山形 13 1,089,806 83831 -2
福島 19 1,865,143 98165 0
関東 茨城 35 2,882,943 82370 -6
栃木 20 1,952,926 97646 0
群馬 24 1,949,440 81227 -5
埼玉 78 7,322,645 93880 -5
千葉 52 6,268,585 120550 11
東京 54 13,843,403 256359 84
神奈川 49 9,179,835 187344 43
北部・中部 新潟 19 2,245,057 118161 3
富山 6 1,050,246 175041 5
石川 5 1,142,965 228593 6
福井 9 773,731 85970 -1
山梨 12 818,391 68199 -4
長野 28 2,063,403 73693 -7
岐阜 23 1,999,406 86931 -3
静岡 36 3,656,487 101569 1
愛知 62 7,539,185 121600 13
近畿 三重 14 1,790,376 127884 4
滋賀 12 1,412,881 117740 2
京都 9 2,591,779 287975 17
大阪 38 8,824,566 232225 50
兵庫 28 5,483,450 195838 27
奈良 9 1,340,070 148897 4
和歌山 10 934,051 93405 -1
中国・四国 鳥取 4 560,517 140129 2
島根 2 679,626 339813 5
岡山 10 1,899,739 189974 9
広島 13 2,819,962 216920 15
山口 9 1,368,495 152055 5
徳島 6 736,475 122746 1
香川 8 961,900 120238 2
愛媛 11 1,351,510 122865 3
高知 3 705,880 235293 4
九州・沖縄 福岡 24 5,111,494 212979 27
佐賀 6 819,110 136518 2
長崎 1 1,339,438 1339438 12
熊本 7 1,756,442 250920 11
大分 2 1,142,943 571472 9
宮崎 0 1,079,873 11
鹿児島 0 1,612,800 16
沖縄 6 1,448,101 241350 8

以上の表を見てみると、まだほとんどの都道府県で「人口10万人に対して1店舗」は達成していないということになります。

人口面から見ると出店余地は多くあるということが出来そうです。特に関西と九州はまだまだ成長の余地がありそうです。

WorkMAN plusはどこに出店する?

では、注目の新業態WORKMAN plusはどこに出店するのでしょうか?大きく3つに分けることができます。

①SC(ショッピングセンター)店

②路面新店

③既存店改装店

これらのうち、僕が注目しているのは③既存店改装店です。

IRMAN
IRMAN

既存店を改装するだけなら土地の制約がないからね。

ちなみに、既存店の改装後は元の売上の50%増加を目標にしています。強気です。

ワークマンの出店戦略「人」

では、どうやって「人」つまりフランチャイズオーナーを集めているのでしょうか?

IRに問い合わせてみたところ、新規出店の流れは以下の通りのようです。

IRMAN
IRMAN

新規出店の流れを教えてください!

IRの人
IRの人

①土地を見つける

②開店(オーナーがいなければ本部の者が経営)

③オーナーが見つかり次第加盟店に

つまり、開店時にオーナーがいる必要はないのです。「オーナーがいないから出店できない」という心配はいらなくなりますね。

また、

IRの人
IRの人

オーナーは毎年60人から80人ほど集まっているので不足することはない。

とも言っていました。

これは、ワークマンのフランチャイズ契約がオーナーにとって魅力的なものであるからと言えます。下の表を見てください。

コンビニ 飲食 学習塾 ワークマン
年収 500万~1200万円 600万円 500万円~1500万円 1032万円
初期費用 約300万円~500万円 約1000万円 約1000万円 約150万円~350万円
開店までの期間 5~7カ月 数ヶ月 2~4か月 9日間
家賃・宣伝費・
光熱費・物流費
オーナーが半分ほど負担 オーナーが負担 オーナーが負担 本部負担

僕調べの曖昧な表ではありますが、実際に60人から80人ものオーナーが毎年集まっている事実からも、ワークマンが魅力的なフランチャイズ契約を結んでいることは確かです。

ワークマンの出店戦略「金」

では、最後にワークマンが出店を加速させるにあたって「金」の心配はいらないのか、ということを見ていきましょう。

下のグラフはワークマンのキャッシュフロー計算書から持ってきた「現金及び現金同等物の期末残高」の推移です。

最近の出店攻勢で現金が減りつつもありますが、それでも今期の期末残高は186億円ほどあることがわかります。

一店舗出店するのに必要な費用を1億円((店舗)5000万円/店舗、(土地)600万円/年)と見積もったとしても十分に足りる金額です。

IRMAN
IRMAN

営業キャッシュフロー(本業で稼ぐお金)は増え続けているから、現金がなくなるということもなさそうだよ。

 

ワークマンのフランチャイズ出店戦略/まとめ

ワークマンの出店戦略を「土地」「人」「金」の観点から見ていきました。

ワークマンはすべての観点から見ても十分に出店ができるだけの余地があることが分かったかと思います。

今後のさらなる成長にも期待が出来そうですね。

今日はこの辺で終わりたいと思います。

IRMAN
IRMAN

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