キーエンスの年収が高い理由は決算書を見ればわかる??

就活生向け企業分析

 

 

キーエンスって知っていますか?年収が高い企業ということでは、就活生の間では有名な企業であると思います。

では、なぜ年収が高いのかについて考えたことはありますか?「キーエンスってそんなに有名な企業ではなさそうだし、怪しい…。」などと思う方もいると思います。

実は、それは全くの勘違いです。ということで今日は、

キーエンスはどうして高い給料を払えているのか?

について徹底解明していきます。

キーエンスの平均年収の推移を見てみる

まず、キーエンスの年収がそもそもどのくらいあるのかを見てみましょう。下のグラフを見てください。

2012年の1300万円からぐんぐんと伸びていって、2018年、2000万円を超えています!!

異常な高さですね…笑

ちなみに年収ランキングでいうと、キーエンスは1位のM&A助言会社のGCAに次いで、2位にランクインしてます!しかも、2000万円越えはこの2社のみです!

異常ですね…笑

従業員の数は?

ちなみに、従業員の数は下のグラフの通りです。

こちらも、年々伸びていますね。事業の拡大に伴って従業員を増やしているのでしょうか。

単純計算で行くと、キーエンスが従業員に払っている人件費は、(従業員)×(平均年収)で表せますよね。

計算してみると…¥118,482,136,710円でした!1184億円って…すごいですね。

ではこの給料、売上に対してどれほどの割合を占めているのでしょうか。確かめてみましょう。

キーエンスの売上に占める人件費(年収)の割合は?

まずは業績を見てみましょう。下のグラフが、業績の推移です。キーエンスは決算の方法が変則なので、少し見ずらいグラフになってしまいましたが、見てください。

少し変則的なグラフになってしまいましたが、注目すべきは利益率の高さです。上下動あるものの、一貫して50%を超えていますね。

キーエンスは、業界的には製造販売業です。この業界でこの利益率を保てているのは、たぶんキーエンスくらいしかないと思います。

相当高いです。異常なほどの人件費を払っているのに、なぜこんなに利益率が高いのでしょう。

次は、この利益率の高さの理由を探るためにどこにどれくらいの費用が掛かっているのかを見ていきます。

どこにどれだけの費用が掛かっているの?

H30年の損益計算書を見てみましょう。下のグラフです。

ここからも利益率の高さを感じることができますね。紫色が、それぞれの段階での利益を表しています。そして、緑色がその段階でかかる費用を表します。

売上原価は、商品を売るのに直接的にかかる費用のことです。キーエンスの場合は、センサーやコントローラーなどの製造費用になります。

対して販売費及び一般管理費は、商品を売るのに間接的にかかる費用のことです。ここが。主に人件費になります。

話を進めるために、この費用をさらに分解してみてみましょう。

費用の内訳は?

このグラフが、費用の内訳になります。大きくかかっている費用は、材料費役員報酬及び給料手当賞与の二つですね。役員報酬及び給料手当賞与は要するに人件費のことです。

これは、642億5000万円でした。先ほどの単純計算とは大きく外れてしまいましたね…笑

ということは、売上に占める人件費の割合は(人件費)÷(売上高)×100で計算すると…12%ということがわかりました。

あれだけの給料を払っていて12%しかないんですね。恐ろしいです。

これで、ある程度今日の問いである、キーエンスはどのような企業努力によって高い給料を維持できているのか

についての答えがわかったかと思います。陳腐な答えになってしまいますが、

人件費を払っても利益にほとんど支障がないから

です。平均2000万円を払っても、売上の12%しか締めないのであれば、人件費を高くしてもなんら問題ありませんね。

ただ、これだけが理由ではありません。

実はこの高い給料、キーエンスの企業理念とも通じるところがあるのです。

キーエンスはコンサル業に近い?!

キーエンスのビジネスモデルは、ファブレス経営と呼ばれています。

これは何かといいますと、製造業なのに工場を持たないビジネスモデルのことを指します。工場を持たないことで、商品の企画や営業など、ほかの業務に集中することができるのです。

下の図を見てください。

キーエンスの場合、その集中する先が営業なのです。キーエンスは、その営業力で成長を続けているといっても過言ではないのですが、その特徴は

顧客の生産ラインまで入り込み、工場の抱える悩みに対して具体的な改善策としての商品を提示する「コンサルティング営業

です。これこそが、キーエンスの強みであり、人件費に高い費用をかけられる理由なのです。

この経営戦略を表す言葉として、キーエンスの社長は次のような言葉を残しています。

人件費は経費にあらず」

ブラック企業が問題になっている今、最もお手本にしてほしい企業ですね。

まとめ

キーエンスが高い給料を払っている理由がわかったでしょうか。

  • 人件費は売上の12%しかないから
  • 「コンサルティング営業」に力を入れているから

の2点でしたね。

では、これでキーエンスの分析を終わります。また次の記事も楽しみにしていてください。

P.S.

このカテゴリーでは、「あなたの就職したい企業を、ぼくが分析する」ことをテーマにしています。分析してほしい企業がありましたら、下のフォームで僕にお伝えください。

参考サイト・資料

キーエンスホームページ有価証券報告書

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