【就活生必見】エイチームの企業分析!株価は下がっていくも今後に大きな期待?

就活生向け企業分析

 

 

今日は、読者様のリクエストに応えて「エイチーム」の企業分析をしていきます。

エイチームは、インターネットゲームで一気に有名になった会社ですね。2012年4月に東証マザーズに上場してから、その11月に東証一部へ昇格するという超スピード感のある企業です。

しかしそんなエイチーム、実は今、株価が急落しています。なんででしょう。これは様々な意見が飛び交う話ではありますが、業績はとても好調なんです。

ということで、今日はエイチームがどのような会社なのか、そしてなぜ株価が落ちているのか、財務諸表を基に企業分析していきましょう。

エイチームってどのような会社なのか?なぜ株価が急落しているのか?

エイチームのビジネスモデルは投資家にはどう映る?

では、エイチームは何をしている会社なのでしょうか。実はゲーム事業だけではありません。まずはビジネスモデルを見てみましょう。

エイチームの事業は主に以下の3つに分けられます。

エンターテイメント事業では、「人と人とのつながり」をテーマにインターネットゲームを配信しています。「ヴァルキリーコネクト」や「ユニゾンリーグ」などは聞いたことがありますね。昔は、グリーと業務提携をしていた関係もあって販売先はグリーが多かったのですが、最近ではAppleやGoogleへの販売が主流のようです。

ライフサポート事業では、引越し料金やサービスの比較サイト「引っ越し侍」や車買収査定サイト「ナビクル」、結婚式情報サイト「ハナユメ」などの生活に密着した比較サイト、情報サイトなどを運営しています。

EC事業では、自社在庫を持ち自転車を売る「cyma-サイマ-」を運営しています。ECサイトで自社在庫を持ち、かつ大型の商品を取り扱うというのは、かなり面白い事業ですね。

かなりリスクヘッジの効くビジネスモデル

エイチームは、イメージ通り「エンターテイメント事業」を主軸においています。この「エンターテイメント事業」、「打率の高さ」を強みとしているものの、業界的にはかなり不安定です。

というのも、インターネットゲームは流行の波が激しく、一本ヒットを打ててもその後の安定につながる確証はないからです。

しかし、エイチームは「ライフサポート事業」「EC事業」と、市場環境の変化にそこまで左右されることのない安定的な事業を持っています。

ここでの安定的な利益を保てるようであれば、「エンターテイメント事業」でも大きな挑戦をできるという強みを持っているビジネスモデルなのです。

投資家からすれば、このリスクヘッジの効いたビジネスモデルは、安定材料としてプラスに働くかと思います。それとも、利益の上下の幅が少なくつまらない銘柄となるのでしょうか。

では、業績の推移を見てみましょう。

安定的な成長も、低い利益率?投資家の懸念材料か

下のグラフは業績の推移です。

2018年の色が薄くなっているデータは、(2018年8月17日現在)第三四半期までしか出ていないので、第三四半期の結果を4/3倍したものになります。

業績は2011年から急成長ですね。しかも、成長が安定しています。

これは、先ほど確認したリスクヘッジの効いたビジネスモデルの影響でしょう。パズドラのガンホーなどはリスクヘッジの効いていないいい例ですね。

ただ、インターネット業界の割に利益率があまり高くないのが気になりますね。では、

なぜ利益率が低いのか?

を解明するために、セグメント別の利益を見てみましょう。

エイチームのセグメント別利益

まずは、エンターテイメント事業の業績から見ていきましょう。

エンターテイメント事業

下のグラフを見てください。

ここの事業の利益率は、IT企業といった感じですね。しかも安定の難しいゲーム市場において成長を続けることができています。

次はライフスタイルサポート事業です。

ライフスタイルサポート事業

こちらは、エンターテイメント事業よりは利益率を落とすものの、成長を続けながらより安定的に利益率を保つことができています。

EC事業

次はEC事業です。

見てください。こちらの事業では売上高の成長は大きいものの、赤字が続いています。こちらの事業は2016年から単独セグメント化しており、まだ成長段階にある事業です。売上高の成長率は大きいので、期待は大きい事業であると思います。

利益率の低さの要因はEC事業?

これで、利益率が低い原因がわかりましたね。

EC事業が成長段階にある

ことが原因に挙げられるのでした。

ただ、これは株価が下がる要因にはなりそうにありませんね。むしろ、これからの成長が見込める要因であるかと思われます。

では、最後に貸借対照表を見てみましょう。

豊富なキャッシュと利益剰余金はどこに使う?

下の図は、2017年の貸借対照表です。

固定資産が少ないのは、例によってIT企業の特徴です。ただ、この中にEC事業に使う倉庫があるので普通よりは少し多いですね。

注目してほしいのは、現金同等物の多さ純資産の多さです。

この二つが多いということは、エイチームはまだ事業拡大の余地を十分に残しているということです。

これらの資産の使い道をどうするかは、エイチームの腕の見せ所ですね。

実際に、2017年の12月にはプログラマー向け情報共有サービス「Qiita」という企業を14億円で買収しています。

これからどのように事業を拡大していくのか、非常に楽しみです。

投資家の気持ちはわからない/まとめ

エイチームがどのような企業なのかイメージをつかめたでしょうか。以上の議論をまとめると、

ゲーム、ライフサポートで安定的な成長を見せながらも、今後の事業拡大に目が離せない企業

と言うことが出来そうです。

そして、今日の2つ目の問である「なぜ株価が急落しているのか」については、

経営を中心に分析するだけでは、投資家の気持ちはわからない

という悲しい結論をつけさせてください。こんなに成長段階にある企業の株価が落ちているのは、解せないのです。

では、これでエイチームの企業分析を終わります。

就活生の皆さん。今日は「成長段階にある」という結論で終わりますが、「この成長はどのようにすれば加速するのか」について、ある程度の答えを持っておくとアピールポイントを増やせます。ぜひ、考えてみてください。

では、また次の投稿も楽しみにしてください。

P.S.

このカテゴリーでは、「あなたの就職したい企業を、ぼくが分析する」ことをテーマにしています。分析してほしい企業がありましたら、下のフォームで僕にお伝えください。

参考サイト・資料

エイチームホームぺージ有価証券報告書決算説明会資料

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